Top > 技術情報メモ 目次 2012.8.3      
  ★  標準時刻  ・・・ 時間の定義 (JST、UT、UTC、GPS時刻、うるう秒)、時間の歴史
  ★  時刻・周波数標準機器  ・・・ 発振器の比較、標準信号の伝送 (HF、LF、LORAN-C、GPS)
        ★  水晶発振器  ・・・ 超高安定水晶発振器の歴史
        ★  原子周波数標準器  ・・・ 歴史、原子時計の比較、ルビジウム原子周波数標準、セシウム原子周波数標準、
   水素メーザ周波数標準、これからの原子時計
  ★  評価方法、 評価例  ・・・ 安定度と確度、アラン分散

直線上に配置   周波数・時刻標準の安定度の評価方法   直線上に配置
時間と周波数の品質を表す尺度
       @ 安定度(stability)
A 確度(accuracy) または 周波数オフセット]
Aの確度は、どの程度頻繁に基準にあわせ込まれたかを示すものであり、@の安定度の方がより重要
安定度の定義方法
       (1) 標準偏差 (standard deviation) または 分散 (variance: 標準偏差の2乗)
  ・標準偏差は平均値からばらつきがどの程度あるかを示す
  ・静的なデータであればある程度のデータを集めれば一定の平均値、標準偏差に収束する
  ・標準偏差は時間的に変動してゆくデータの安定度表示にはむかない
  ・発振器のデータは時間に依存するノイズを持っている


  分散(V) ・・・ 平均値からの変位の二乗和       普遍分散(U)
             
  標準偏差(S.D.)・・・分散または普遍分散の平方根。平均値と同じ次元を持つ
        または、 

  正規分布においては、
      平均値±1X標準偏差 ・・・ この中に全データの68.27%が含まれる
      平均値±2X標準偏差 ・・・ この中に全データの95.45%が含まれる
      平均値±3X標準偏差 ・・・ この中に全データの99.73%が含まれる
(2) アラン分散 (Allan variance)、他 ・・・ タイムドメインでの周波数安定度の一般的評価方法
@ Normal Allan variance (AVAR)
      
       ただし、Mはデータの数、データ は一定の時間間隔(τ秒)で計測されたものとする
 標準偏差は、各計測値から平均値を引いた値の合計から求められるが、アラン分散は一つ前の計測値から引いた値から求められる。安定度は、周波数オフセットではなく、周波数変動を計測することにより求められるべきものであり、前のデータとの差を利用することにより周波数オフセットによる影響を取り除いている。          
     D.W.Allan ・・・ コロラド州ボールダー 米国国家標準局(NIST)の研究員

Overlapping Allan Variance (AVAR)
      
B Modified Allan variance (MVAR)
      
C Time Variance (TVAR)
      
D Hadamard Variance (HVAR)
      
E Overlapping Hadamord Varience
      

(( 上記の各計算サンプルのEXELシート ))
       参考リンク:Hamilton Technical Services ・・・周波数安定度解析ソフト「Stable32」を販売。計算処理検証用データあり
               Handbook of Frequency Stability Analysis ・・・ NIST July 2008 136頁

評価例
HP Z3801A からの10MHz信号をユニバーサルカウンタ HP 53132A の基準信号入力に加え、下記3台の安定度を計測した。
Blely OCXO、 HP 5334Aopt001、 HP Z3816A
12桁まで計測可能な HP 53132A で周波数を直接計測したため、計測限界は-11乗台。
参考外部リンク: グラフ中で見本とした高精度OCXO(BVA 8607)とHP Z3801AのデータはLeapSecond.com のデータを参考にした。
                BVA 8607 ・・・ 国内販売代理店:多摩デバイス
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