Top > 電子計測機器 > デジタルマルチメーター、抵抗測定器 > HP 3458A 2017.9.30
      HP3458A 8・1/2桁 デジタルマルチメータ No.1 、No.2
性能確認結果    (1) 長期安定度                ・NVRAM    (1) NVRAMの寿命
 (2) 短期安定度  (2) 校正定数
 (3) 起動特性  (3) NVRAMのダンプデータ        
 (4) 温度特性 高精度基準電圧源

NVRAM
HP 3458A は設定パラメータと校正定数を電源OFFでも保持するために2種類3個のNVRAM(不揮発性メモリ)を内蔵している。
このNVRAMはスタティックRAM(SRAM)とボタン形の電池を1つのパッケージに封入した物である。
当然ながらこの電池にには寿命があり、寿命が尽きると設定パラメータと校正定数を記憶(保持)できなくなってしまう。
 @ DALLAS DS1235YW-150 (32 k x 8 bit) (カタログ上の寿命:5年以上)2個 … 設定パラメータの保持用
 A DALLAS DS1220Y-150 (2 k x 8 bit) (カタログ上の寿命:10年以上)1個 … 校正定数の保持用
     DS1235xx__datasheet.pdf
The DS1235Y has been replaced by the DS1230Y___DS1230AB-DS1230Y.pdf
DS1220AB-datasheet__DS1220AD.pdf
Application Note 202 NV SRAM Frequently Asked Questions__3-5661.pdf

(1) NVRAM の寿命   ・・・ 3458Aは20年以上前の1989年から販売されている
下記の写真は、HP 3458A の No.2 のNVRAMである。これらのICは捺印されているロット番号から1990年製とわかる。
No.2 は2011年に設定パラメータの保持用NVRAMの寿命が尽きて電源投入時エラーが出る様になってしまった。
ICのカタログ上の保証寿命は5年だが約20年動作したことになる。
校正定数は今のところ問題なく保持されている。
NVRAM の交換
3個のNVRAMは基板に直接半田付けされており簡単に差し替えることはできない。
交換時は、A2ボ−ドを丸ごと交換する必要がある。 (agilentに交換依頼すると18万円くらいかかる)
自分で交換する方法:
  

(2) 校正定数
HP 3458A には253個の校正定数があり、そのうちの197個がACALにより自動校正可能な定数である。
残り56個は10v標準電圧発生器と10kΩ標準抵抗を必要とする重要な校正定数である。
この定数は、「CAL? nnn (nnn=1〜253)」 コマンドにより確認することができる
関連コマンド: 「SHIFT」+「menu」 ・・・ Full command menu 表示への切替
          「CALNUM?」 ・・・ 校正回数表示コマンド (Full command menu 表示で表示される)
          「TEMP?」 ・・・ 内部温度の表示コマンド
2台の3458Aの校正定数 EXELリスト  ・・・   初期値、現在値、上限値、下限値
現在値はACAL前と後の2種類

(3) NVRAMのダンプデータ
3458AのGPIBコマンドには取扱説明書に書かれていないいくつかのコマンドがありそのうちの1つを使う。
   MREAD ・・・ 1word/16bit の読み出しコマンド
校正定数の入ったNVRAMのメモリアドレスは「 0x60000 〜 0x60fff 」であり、上位8bitがNVRAMのデータ。
NVRAMの全データを読み出すには、次の2048個のコマンドを入力して8bit毎に読み出す。
    MREAD 393216
    MREAD 393218
     〜 〜
    MREAD 397308
    MREAD 397310
  実際に読み出した2台の3458AのNVRAMのデータ EXELリスト      
設定パラメータの入ったNVRAMのアドレスは「0x120000〜0x12ffff」(1179648〜1245182 十進)
参考外部リンク: [volt-nuts] Backing up HP3458A NVRAM

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