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          無線LAN の概要    規格・仕様                               2011.5

 規格:
         規格          使用周波数帯   伝送速度 
(理論値)
 変調方式     無線チャンネル     仕様策定  備考
IEEE802.11a 5 GHz 54 Mbps OFDM 1ch/全8ch 1999.10  他の無線との混信が無い
 2005年に4chから8chに拡張
 2008年に19chに拡張
 屋内使用限定
 IEEE802.11j
日本向け修正規格
 (4.9/5GHz対応。屋外使用可能)
IEEE802.11b 2.4 GHz 11 MHz DS-SS 4ch占有/全14ch 1999.10  
IEEE802.11g 2.4 GHz 54 Mbps OFDM 4ch占有/全13ch 2003.6  .11bに対して上位互換
IEEE802.11n MIMO(Multi Input Output)  最大300/600 Mbps 2009.9  
 設定ツール:
 バッファロー  「AOSS」
 NEC  「らくらく無線スタート」
 標準規格  WPS(Wi-Fi Product Setup) 
     
 Wi-Fi  ・・・ Wireless Fidelity 無線LAN普及推進団体    
            「無線LAN」 ≠ 「Wi-Fi」
 暗号化:
  アクセス制御  データ暗号化 
 個人向け  MACアドレスフィルタリング  −
Any接続拒否  −
ESS-IDを隠す  −
WEP(Wired Equivalent Privacy) WEP(RC4)
 PSK(Pre-Shared Key)  WAPホーム TKIP(RC4)
 WAP2ホーム  AES
企業向け RADIUSサーバ TKIP(RC4)
AES
 セキュリティ情報 ・・・
  @ 暗号化レベル(例:WPA2-PSK-AES)   
A ESS-ID
B 暗号化キー
 WPA
 TKIP
 AES
 ・・・ Wi-Fi Protected Access
 ・・・ Temporal Key Integrity Protocol  
 ・・・ Advanced Encryption Standard」
 セキュリティ強化のための設定:
@無線LAN親機のパスワードを変更する
AESS-IDを初期値から変更する
BWPA/WPA2を使った暗号化を使う
C無線チャンネルを初期値から変更する
D不要な無線LANモードをOFFにする
EESS-ID「Any」の接続を拒否する設定にする
FESS-IDを隠蔽する
G出力パワーを最低限に絞る
HMACアドレスフィルタリングにより接続を限定する
Iプライバシーセパレータの設定

SSID(Service Set Identity):

 無線LANのアクセスポイントやクライアント各機器に設定するID
 IDの異なる機器間では通信ができない。
SSIDを非公開にする機能:
 機種によって実現方法が異なる。
 無線LANアクセスポイントを検索しても、そのアクセスポイントが表示されないか、アクセスポイントが表示されてもSSIDが空白となる。
 ユーザーがクライアントPCでSSIDを設定しないと接続できない。
 このため、利便性は損なわれるがSSIDが分からないと接続出来ない分、セキュリティは高くなる。
 SSID非公開機能の名称:メルコ「Any拒否」、コレガ「ステルスAP」、リンクシス「SSIDブロードキャスト無効」
MACアドレスフィルタリング:
 ユニークなはずのMACアドレスを変更できる機器があるために、その機器を使って、認証を受けたMACアドレスになりすますことで不正アクセスが可能であるが、こような機器はいまのところ入手が難しく、無線LANに登録されたMACアドレスを知るには、SSIDを特定し、WEPを解読しなければならないので、これら3種類の対策を組み合わせることで、最低限のセキュリティを得られる。

 無線LANの規格概要:
    
  IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n
概要 1999年制定
5.2 GHz / 5.3 GHz帯LANの規格
最大54Mbps
1999年制定
2.4 GHz帯
主に変復調仕様を規定する
最大11Mbps(それまでの5倍)
2001年制定
2.4 GHz帯
最大54Mbpsに高速化
2009年9月に正式規格として認定
2.4 / 5 GHz帯
最大300/600 Mbps
使用周波数帯 [W52] 5.15-5.25 GHz(100 MHz,4ch)
[W53] 5.25-5.35 GHz(100 MHz,4ch)
 [W56] 5.47-5.725 GHz(100 MHz,11ch) 
2400-2497 MHz 2400-2484 MHz 2.4 / 5 GHz帯
チャンネル数 19 14 13 5 GHz帯: HT40:9、HT20:19
2.4 GHz帯: HT40:7、HT20:13
チャンネル間隔 20 MHz 5 MHz 5 MHz  
1チャンネル当たりの
占有帯域幅
20 MHz 22 MHz 22 MHz HT40: 40 MHz
HT20: 20 MHz
  混信しないで同時使用  
可能なチャネル数
19 4 3 2 / 9
伝送速度 54/48/36/24/
   18/12/9/6 Mbps
11/5.5/2/1 Mbps 54/48/36/24/
  18/12/9/6 Mbps
HT40: デュアルチャネル使用時:
 300/270/243/216/
   162/108/81/54/27 Mbps
HT20: シングルチャネル使用時:
  130/117/104/78/
    52/39/26/13 Mbps
伝送技術 OFDM
(直交波周波数分割多重変調)
DS-SS
 (直接拡散型スペクトラム拡散) 
OFDM
 (直交波周波数分割多重変調)
 
OFDM
 / 搬送波数 [HT20] 56 [HT40] 114、 
MIMO ( 空間多重 ) 方式
アクセス制御 CSMA/CA CSMA/CA CSMA/CA  
屋外利用 W52,W53は屋外利用不可 W52,W53は屋外利用不可
その他      IEEE802.11bと互換性あり  
無線局免許
   特定小電力無線局に該当し免許が不要
      
 特定小電力無線局(電波法施行規則第六条三項)
       ・空中線電力が0.01W(10mW)以下
 
 
 
・総務大臣の指定する識別信号を自動的に送受する
・総務省令で定める混信防止機能を持つ
・技術基準適合証明(技適)をうけたもの
 その他:  ・送信時間制限が原則必要
・アンテナは筐体と一体型
 2.4GHz無線LANの条件
   ・電力密度規定(mW/MHz)であると拡大解釈し、
     200 mW
(10 mWx20 MHz)、200 mW(5 mWx40 MHz)、
    更に、最大EIRPの規定を追加
       12.14 dBm/MHz (20 MHz)、9.14 dBm/MHz (40 MHz)

   ・識別符号はMACアドレスで代用
   ・LANの方式上キャリアセンスは必須

   ・同左
   ・送信時間制限無し (方式上連続送信はしない)
   ・アンテナ分離可能 (一般にRSMAという特殊コネクタを使用している)
日本国内規格
 財団法人電波システム開発センター(ARIB(アライブ) (旧:RCR))が標準化
           
 ARIB STD-T66   1999年制定   2.4 GHz帯   802.11b/g/n 
ARIB STD-T71 2000年制定 5 GHz帯 802.11a/n

IEEE 802.11aのチャンネル ( 5.2GHz/5.3GHz帯 )
     期間      タイプ チャン
ネル数
チャンネル 屋外
での
使用
 
2005年5月まで J52 4ch  34, 38, 42, 46 ( 5.15 〜 5.25 GHz ) × J…旧来の日本国内規格
2005年5月以降  W52  8ch  36, 40, 44, 48 ( 5.15 〜 5.25 GHz ) × W…国際標準準拠規格
W53  52, 56, 60, 64 ( 5.25 〜 5.35 GHz ) × 数字…中心周波数(例:“53”は中心周波数が5.3GHz)                                      
 2007
1月31日
      以降      
  W52    19ch    36, 40, 44, 48
( 5.15 〜 5.25 GHz )
  ×    
W53  52, 56, 60, 64
( 5.15 〜 5.25 GHz )
×  DFS(Dynamic Frequency Selection:
 動的電波周波数選択)により気象レーダとの干渉を避けることが義務付けられており、 
 干渉を検出した場合に回避動作を行う。
     各チャネルの通信開始前に、1分程度のレーダー波検出を行うのでその間は通信を行えない。
通信中にレーダー波を検出した場合は、自動的にセカンダリのチャネルに変更するため、通信が中断されることがある。
W56  100, 104, 108, ... , 140                 
 ( 5.47 〜 5.725 GHz )
     IEEE 802.11j  ・・・ IEEE 802.11aを日本向けに修正した規格 屋内・屋外ともに使用可能 電波法により利用局登録が必要           
諸元
周波数帯
チャンネル
チャンネル間隔  
空中線電力
 : 4900 〜 5000 MHz
 : 4920 / 4940 / 4960 / 4980 MHz の合計4ch
 : 20 / 10 / 5 MHz
 : 250 mW (23.98 dBm)     ※参考 電力デシベル表示 1 mW = 0 dBm
  <参考リンク>・5GHz帯のチャンネル (NEC Aterm)

IEEE 802.11b

  ・日本国内で利用できるチャネル数は14。
  ・中心周波数2,412 MHzの1chから同2,472 MHzの13chまで5 MHz刻みの1〜13chと、同2,484 MHzの14chの、計14ch
  ・一つのチャネル幅の規格が22 MHzであるため、干渉なしで通信できる最大チャネル数は4個。
  ・ただし、11bでの14ch利用は日本に限られ、14chに対応しない親機・子機も多く、この場合は11g同様の3個になる。
  ・しかし、規格より狭いチャネル幅で通信し、1ch・5ch・9ch・13chの計4チャネル同時利用を行える機種も市販されている。

干渉しないチャンネルの組み合わせ
チャンネル 中心周波数 組み合わせ1 組み合わせ2 組み合わせ3 組み合わせ4 組み合わせ5 組み合わせ6
1 2.412 GHz         ○○
2 2.417 GHz          
3 2.422 GHz          
4 2.427 GHz          
5 2.432 GHz          
6 2.437 GHz          
7 2.442 GHz         ○○
8 2.447 GHz          
9 2.452 GHz          
10 2.457 GHz          
11 2.462 GHz          
12 2.467 GHz          
13 2.472 GHz         ○○
14 2.484 GHz      

IEEE 802.11g

  ・利用可能なチャネルは、11bの1〜13chと同じ帯域の計13チャネル。
  ・ チャネルは5 MHz間隔だが、1つのチャネル幅が22 MHzあるため、5ch以上あけないと干渉が発生する。
  ・干渉なく通信するためには、同時に3つのチャネルしか利用できない。
  ・ただし、規格より狭いチャネル幅で通信し、1ch・5ch・9ch・13chの計4チャネル利用を行う機種も市販されている。

  <参考リンク>・無線LAN - IEEE802.11b/g のチャネル

IEEE 802.11n ・・・ 2006年3月:ドラフト版1.0、2007年6月:ドラフト版2.0、2009年9月に正式規格として認定。
   主な技術:    (1) チャンネルボンディン
(2) MIMO(Multiple Input Multiple Output)」 
     
 チャンネルボンディングのみを使用する製品は150 Mbps
 チャンネルボンディングとMIMOの双方を使用する製品は300 Mbps
   (2010年現在、理論値)

 ・40MHz帯域幅システム(チャネル・ボンディング技術)   2007年6月28日総務省の電波法施行規則の一部を改正:
      2つのチャンネルを使って通信を高速化するチャネル・ボンディング技術が使用可能となる
    
  デュアルチャンネル(Buffaloでいうところの倍速モード)
 5GHzモード チャン
ネル
W52 W53 W56
 20MHz帯域幅システム(HT20) 19 36 / 40 / 44 / 48 ch 52 / 56 / 60 / 64 ch 100 / 104 / 108 / 112 / 116 /
   120 / 124 / 128 / 132 / 136 / 140 ch
 40MHz帯域幅システム(HT40) 9 [36、40] / [44、48] ch [52、56] / [60、64] ch [100、104] / [108、112] / [116、120] /
   [124、128] / [132、136] ch
 2.4GHzモード
 20MHz帯域幅システム(HT20) 13 1 〜 13 ch
 40MHz帯域幅システム(HT40) 7 [1、5] / [2、6] / [3、7] / [4、8] / [5、9] / [6、10] / [7、11] ch
2.4GHz無線LAN実測スペクトラム
( 2011.5.19 )

BUFFALO WHR-HP-G300N
無線LAN親機

倍速モード(40MHz帯域幅)
ch6とch10をチャンネルボンディング
で [ 20MHz帯域x2 ] として使用






  <参考リンク>・高速無線LAN(IEEE 802.11n)の技術的特長 (2007.5)
            ・総務省資料 (2007.2) 、 ニュース1、 ニュース2

 ・MIMO(Multiple Input Multiple Output)  ・・・ 空間分割多元接続
              複数のアンテナで送受信を行う多元接続(マルチストリーミング)

アクセス方式:、
   インフラストラクチャモード / アドホックモード
      インフラストラクチャモード :  ネットワークを統括する「アクセス・ポイント(AP)(親機)」を介して通信を行う形態。   (例:家庭内LAN、企業内LAN)
アドホックモード 端末に設置された無線LANのアダプタが、互いに直接通信をする形態。子機同士の直接通信  (例:携帯ゲーム機同士での通信)      
WDSモード
      アクセスポイント間通信 ・・・無線LAN中継のための親機同士の通信。標準化。メーカー、機種毎に接続可能な機種が限定される
  

無線LANの次世代仕様 の概要
「WiGig」 
  ・2009.5 業界団体「Wireless Gigabit(WiGig)Alliance」発足
  ・Intel、Microsoft、NEC、Panasonicなど13社が参加
  ・60 GHz帯を利用した次世代無線通信技術の仕様を策定する。
  ・室内にあるPCやデジタル家電、携帯端末などを無線接続して、高画質映像やファイル転送を実現する。
  ・通信速度は現行の無線LAN規格の10倍以上という高速通信を実現する予定(規格では、おそらく5〜10Gbps)
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