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はんだ付けの歴史 ・・・ 「はじめてのはんだ付け技術」 菅沼 克昭 著 工業調査会発行 2002年12月15日初版 より、

はんだの歴史
       紀元前3500年 
紀元前3000年以前

紀元前1350年頃 
紀元前350年 

平安時代 
1925年(大正14年) 
1953年(昭和30年) 
1964年(昭和39年) 
2001年 
1998年 
青銅器時代 ペルシャ:銀製の動物の置物をろう付け
青銅器時代 メソポタミア:食器の銀のボールをはんだ付け
    はんだの組成:錫−銅(Sn―Cu)、または錫―銀(Sn-Ag) <――鉛フリーはんだの基本組成
エジプト:ツタンカーメン王の墓から出土した装飾品にはんだ付けの例が散見される
ギリシャ、ローマ時代::水道の鉛配管に鉛−錫(Pb―Sn)系はんだ付けが用いられた。
    ヒポクラテスHippokuratesの書に、鉛鉱毒の記録がある。
日本の古い記録に初めてはんだが現れる
国産題意一号の鉱石ラジオの販売開始(シャープ、3円50銭)
テレビ受信機の量産開始(シャープ)
世界初のオールトランジスタ電卓CS-10A(シャープ、535,000円)
家電リサイクル法施行
世界初の鉛フリーはんだによる量産開始(松下電器、MD)
欧州の有害物使用規制 ・・・ 電子・電気機器廃棄に関するEU指令(WEEERoHS
鉛フリーはんだ実用化ロードマップ
       
 部品:   2001年末   鉛フリー対応部品/鉛フリー端子部品の供給開始 
 2003年末  鉛フリー端子部品の品揃え完了
 2004年末  鉛フリー部品の品揃え完了
 機器:  2002年から2003年   鉛フリーはんだの導入開始
 2003年末  新製品への鉛フリーはんだ全面採用
 2005年末   鉛フリー化完了
鉛フリーの定義 ・・・ 部品、基板、はんだそれぞれにおいて、鉛の含有量0.1wt%未満
  鉛フリー実装の選択肢:
 ・Sn基合金          ・Sn−Ag−Cu系   <――世界共通の第一選択肢
 ・Sn−Bi系
 ・Sn−Cu系
 ・Sn―Zu系
 ・導電性接着剤  ・導電性ペースト
 ・異方性導電膜(ACF)&ペースト(ACP)
これまで長く用いられてきたはんだ: 
 ・Sn−Pb共晶はんだ   共晶点・・183℃、共晶組成・・61.9%Sn−38.1%Pb
    低温はんだ:In(157℃)
 43.5Pb−56.5Bi(128℃)
 48Sn−52In(117℃)  <――ローズメタル
 18.7Sn−31.3Pb―50Bi(95℃) <――ニュートンメタル
 ・高温はんだ:  Pbの割合の多いPb−Sn系はんだ
 20Sn−80Au共晶はんだ 鉛フリーだがAuが多い分高価
 ・高強度はんだ:  上記のほとんどのはんだにAgを2%程度加えた合金
 Sn−Ag系はんだ
主な鉛フリーはんだ
 ・Sn−Ag系・・・Sn―Ag2元合金
         Sn−Ag−Cu3元合金  <<――世界の標準鉛フリーはんだ
 ・Sn−Cu系
 ・Sn−Zn系
 ・Sn−Bi系
フラックス:Sn合金の酸化膜の除去、電極の酸化膜の除去を行う添加物
 ベース:  ロジン(松脂) 20〜30%
 表面を清浄化するアミン等の活性剤 1%以下
 溶剤:  アルコール
 MIL規格:   RA系・・・・塩素分の多い強活性
 RMA系・・・弱活性
実用化されている鉛フリーはんだの組成: 
 日本:   Sn−3Ag−0.5Cu
米国:  Sn−3.9Ag−0.6Cu 
欧州:  Sn−3.5Ag−0.7Cu
実用化されている鉛フリーはんだの特徴:
Sn−37Pbはんだの融点184℃
         Sn−Ag−Cu鉛フリーはんだの融点217〜219℃
           ――>融点が30℃以上高い。
参考資料:電子情報技術産業協会JEITA
           鉛フリーはんだ実用化ロードマップ
              http://tsc.jeita.or.jp/TSC/COMMS/7_EASM/japanese/leadfree/

 石川金属株式会社http://www.ishikawa-metal.com/ より
 共晶合金   融点(℃)  長所 短所
Sn-37Pb 183  総合的に良好  熱疲労、
 クリープやや不良
Sn-0.7Cu 227  機械強度良好
 熱疲労、クリープ良好
 他元素より低価格
 高融点
 ぬれやや不良
Sn-3.5Ag 221  機械強度良好
 熱疲労、クリープ良好
 長い使用実績
 高融点
 ぬれやや不良
Sn-92n 198  Sn-Pb共晶はんだ並の融点
 機械特性良好
 酸化が激しい
 ぬれ劣悪
 Znが母材と金属結合
Sn-58Bi 139  低融点
 ぬれ良好
 高温使用は不可
 機械強度不安
 ボイド多発
合金ラインナップ
合金系 合金組成(%) 融点(℃) 備考
Remarks
固相線 液相線
Sn Sn 232  
Sn-Ag Sn-3.5Ag 221 Sn-Ag共晶合金
Sn-3.0Ag 221 222 J3追加用はんだ
Sn-Ag-Cu Sn-3.5Ag-0.55Cu 217 220  
Sn-3.0Ag-0.5Cu 217 220 JEITA推奨合金
Sn-Ag-Cu-Bi Sn-1.5Ag-0.85Cu-2.0Bi 210 223  
Sn-2.5Ag-0.5Cu-1.0Bi 214 219  
Sn-58Bi 138  
Sn-Cu Sn-0.55Cu 226 Sn-Cu共晶合金
Sn-0.55Cu-その他 226 R2の濡れ改良品
Sn-0.55Cu-0.3Ag 217 226  
Sn-5.0Cu 227 358 銅喰われ対策品(ディップ用)
Sn-3.0Cu-0.3Ag 217 312 銅喰われ対策品(やに入り用)
Sn-Ag-Bi-In Sn-3.5Ag-0.5Bi-3.0In 193 216 弱耐熱部品対応品
Sn-3.5Ag-0.5Bi-4.0In 192 211 弱耐熱部品対応品
Sn-3.5Ag-0.5Bi-8.0In 177 208 弱耐熱部品対応品
Sn-Zn Sn-8.0Zn-3.0Bi 187 197 弱耐熱部品対応品(使用環境制限あり)

株式会社大和製作所
鉛フリー半田対応 強制対流式N2リフロー装置
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