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   古典ラジオ(5球スーパー)の調整方法          1.電波科学:1953年3月号 より
2.TRIO テクニカル・データシート より

<電波科学:1953年3月より>
1. 中間周波回路
a. 局部発振を止める
    グリッドリークをアースすることにより発振を止める。
b. AVCをアースする
    AVCをかけたままだと同調がブロードになって正確に出来ない。
c. テスターのACレンジ5〜10Vを出力トランスの2次側に接続する。
    または、直流阻止用のコンデンサ(0.1〜0.5μF程度)を通して一次側を100〜200Vレンジで測る。
d. 6D6のグリッドに発信器からの信号を入れる
e. 後段の一次、二次の調整を行い、最大出力とする
    後段は実効のQが非常に低いので、同調がブロードであり調整がしにくい。
f 調整がすすみ出力が大きくなったら発信器の出力を絞ること。
g 発信器の出力を6WC5の第三グリッドに移す。
h 発信器の出力を、5kHzの前後に振ってみて、出力計の振れが左右対称であることを確認する。
I 実用帯域幅を計測する。
    実用帯域幅は最大増幅度の点から3dB下がった点の帯域幅。
      出力計の振れが最大指示の71%下がった点の周波数ずれの2倍に相当。
j. 10kHz離調時の減衰を計測する。
3. 高周波部分の調整
a. トラッキングレスバリコンの場合
    1400kHz付近にダイヤルを合わせ、バリコン付属のトリマーコンデンサを調整し、最大出力とする。
a' 普通の場合:
    600kHzと1400Khzを繰り返して調整する。
  このとき、発信器の出力は、擬似空中線を通して入れる。
    擬似空中線:14μH+150pF+50Ωの直列回路
             または、200pFのコンデンサ



TRIO テクニカル・データシート
  調整順序一覧表
 1 IFTの調整
  テストオシレータ455KCを100pFを通して6BE6のG3とアース間へ入れる。
  IFTの調整ネジを半回転以内で調整。
  テスターはV3のカソードへDC2.5--10Vレンジにして入れる。
  テスターの指示が最小になるようにする。
  AVCや局発は活きたままとする。
  ダイアルはバリコンが一杯入ったところで固定する。
 2 中波低周波側
  テストオシレータ600KCを100pFを通してアンテナ端子とアース間へ入れる。
  ダイアルの600KCの位置で受信できるようにOSCコイルのコアを調整する。
  テスターの指示が最小になる点が受信点。
  オシレータ信号と放送信号を誤らないように注意。
 3 中波高周波側
  テストオシレータ1400KCを100pFを通してアンテナ端子とアース間へ入れる。
  ダイアルの1400KCの位置で受信できるようにOSC側のトリマーを調整する。
 2、3を2回繰り返すと目盛りと合うようになる。
 4 中波高周波側
  テストオシレータ1400KCを100pFを通してアンテナ端子とアース間へ入れる。
  ANT.RFトリマを調整する。
  テスタの指示が最小(出力最大)になるようにトリマを微細に合せる。
 5 中波低周波側
  OSCコイルのコアを調整する。
  600KCの信号をダイアルで追跡しつつコアを調整してテスタの指示が
  最小になる所で固定する。
 4をもう一度繰り返すとより確実になる。
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