航空用通信 |
引用: 「空地データリンク技術」 北折潤 日本航空宇宙学会誌Vol.57 No.666 2009.7、他 |
|
空地通信 Air-Ground Communications |
|
|
(1)航空交通業務通信:
航空管制通信: |
ATSC (Air Traffic Service Communication)
ATC (Air Traffic Control) |
航空機-航空交通管制間通信 |
(2)運行管理通信: |
AOC (Airline Operational Control) |
航空機-航空会社運行管理部門 |
(3)航空業務通信: |
AAC (Aeronautical Administrative Communications) |
(4)航空旅客公衆通信: |
APC (Aeronautical Passenger Communications) |
航空機-地上公衆回線 |
|
|
|
音声通信システム(航空無線電話システム)の諸元 |
|
種別 |
周波数 |
チャンネル間隔 |
変調方式 |
空中線電力 |
設置義務 |
主な用途 |
HF無線電話 |
2.85 〜 22 MHz |
3 kHz |
SSB (J3E) |
150 W程度 |
すべての航空機 |
ATSC, AOC, AAC |
VHF無線電話 |
118 〜 137 MHz |
8.33 , 25 kHz |
AM (A3E) |
10 〜 30 W程度 |
大型航空機 |
UHF無線電話 |
225 〜 400 MHz |
100 kHz |
AM |
|
|
ATSC |
|
|
|
空地データ通信 |
|
直接通信 |
|
|
VHF ACARS (Aircraft Communications Addressing and Reporting System エイカーズ)
・・・・ ARINC社が1979年に運用開始 |
|
|
|
・対空系で最も普及しているデータリンク
・キャラクタ通信ベース、 AM-MSK変調、2400bps、誤り訂正無し
・ICAOの標準規格にはなっていない
・ARINC社の他、SITAやアビコムジャパン等のサービスプロバイダが運用している |
通信データ例: |
・ATC(Down Link):到着予想時刻
・AOC(Up Link):地上気象情報
・機体情報、位置情報 |
周波数 |
変調方式 |
地域 |
131.45MHz |
AM |
日本周辺の国際線用 |
131.25MHz |
AM |
日本の国内路線中心 |
|
外部リンク:ACARSシステム概要(JAL)
地上局:株式会社アビコム・ジャパン |
|
|
HFDL (HF ACARS) |
|
|
|
・洋上における長距離データ通信用
・HFDLはICAOの標準規格
・TDMA、M-PSK変調、300〜1800bps、誤り訂正あり
・サービスプロバイダーはARINC社のみ |
周波数:
AGANA(グアム):17.919MHz、13.312MHz、
MOLOKAI(ハワイ):13.276MHz、11.312MHz、8.927MHz、他
HATYAI(タイ):17.928MHz、13.270MHz、他 |
|
|
VDL (VHF Digital Link) |
|
|
|
・VHF ACARSより高性能なVHF帯データリンクとしてICAOが標準規格化したもの
・モード2,3,4の3種類の規格が存在し、モード間の互換性は無い
・モード2 ・・ VHF ACARSの後継として普及が進んでいる
D8PSK変調、31,500bps、誤り訂正あり
・モード3,4はIATAが導入に否定的であり世界的には普及が困難
|
方式 |
周波数 |
方式 |
速度 |
|
MODE2/AOA |
136.975MHz |
PSK |
31.5kbps |
誤り訂正あり |
MODE3 |
TDMA方式。 25KHzを4分割し、そのうち2チャンネルをデータリンク、残り2チャンネルをデジタル音声通信として利用することにより、同時に2機が同一周波数で通信することが可能。 |
|
|
|
ADS-B (Automatic Dependent Surveillance - Broadcast) |
|
|
|
放送型自動位置情報伝送・監視機能。放送型自動従属監視、放送型ADS ともいう。
飛行中や地上走行中の航空機等の移動体の位置を監視する手段のひとつ。
各航空機がGNSS 等の測位システムを用いて取得した位置情報を放送型データリンクによって地上または他の航空機へ送信する方式。 |
|
|
L-DACS ( L-Band Digital Aeronautical Communication System ) |
|
|
|
将来対応のためのLバンド周波数(960 - 1,215(1,660)MHz)を使用したシステムの総称 |
|
衛星データリンク |
|
|
インマルサット AMSS(航空移動衛星通信サービス) |
|
|
|
・赤道面上の静止衛星4機(第3,第4世代衛星)で極域を除く全地球をカバー
・データリンク ・・ 600bps〜10.5kbps, ACARSプロトコル
・地球局−−衛星間:Cバンド(6.4/3.4GHz)
衛星−−航空機局間:Lバンド(1.6/1.5GHz) |
|
|
SwiftBroadBandサービス |
|
|
|
第4世代衛星から提供、スポットビーム、最大432kbps |
|
|
MTSAT-1R, -2 |
|
|
|
・AMSS互換サービスを提供 |
|
|
イリジウム |
|
|
|
・高度780kmの6本の極軌道に各11機ずつ、66機の衛星を配置して全地球をカバー
(当初計画では77機)
・地球局−−衛星間、各衛星間:Kaバンド(30/20GHz)
衛星−−航空機局間:Lバンド(1.6/1.5GHz)
・データリンク ・・・ 2.4kps
・2007年にICAOの標準化案が作成された |
|
軍用データリンク |
|
|
JTIDS (Joint Tactical Information Distribution System) |
|
|
|
・969--1,206MHz、 TDMA、最大128の個別ネットワークを構築可能
・周波数ホッピング、
・最大伝送速度 ・・・ 238.08kbps |
|
|
航空用Lバンド 960MHz -- 1,215MHz |
|
|
|
・DME ・・ 航空用Lバンド全体
・SSR (Secondary Surveillance Rader:二次監視レーダー) ・・・ 1,030MHz, 1090MHz
・UAT (Universal Access Transceiver) ・・・ 978MHz(1Mbps) 小型機に搭載される航空機相互間、航空機と地上間のデータ通信装置
・GPS ・・・ L1::1575.42MHz、L2:1227.6MHz、L5:1176.45MHz
・JTIDS ・・・ SSRの周波数を除く航空用Lバンド全体 |