Top > 2012.11.3
ホルムアルデヒド(シックハウスの原因物質)が大量発生     

物置小屋を改装して計測器室を作ったのですが、安物の家具(本棚)を使ったために大量のホルムアルデヒドが発生しひどい目いにあってしまいました
経過:  @ 本棚設置後、部屋に入ると目が痛くなり、入っていられなくなってしまった。
A 調査のためにやむなく高価なホルムアルデヒド(VOC)計測器を購入
B 24時間強制換気のために三菱電機の換気扇ロスナイを設置
C 一時的に別の部屋に本棚を移し、原因が本棚にあることを確認した。
D 約6ヶ月24時間強制換気を続けてやっと環境基準の0.08ppm以下までに下がった。

   ただし、気温が低いことによる影響と思われる。
E 約8ヶ月後 : 室温上昇とともに悪化し始めた。

H 11ヶ月後 : 最初と変わらない !!
I 本棚交換によりやっと環境基準程度に下がった。
     VOC(ホルムアルデヒド)の濃度変化
2010.8.13  設置工事完了後(24時間以上閉めきり後) 1.7 ppm 室内に一歩入っただけで目が痛くなる。 真夏のため室温約30℃
8.14   1.1  
8.24  換気扇(三菱ロスナイ)設置後 0.9 期待して設置した換気扇だが基準値の11倍までにしか下がらない
8.25  本棚一時撤去前 0.9 ホルムアルデヒドの発生源特定ために本棚を一時的に撤去した。
撤去後の濃度が大きく下がったことから本棚が原因と確定。
ただし、これ以外にも若干の発生源がある。(床板と思われる)
9.6  本棚一時撤去後 0.3
     一時撤去した本棚を保管した部屋のVCO(ホルムアルデヒド)の濃度変化             
2010.8.25 搬入前    0 ppm
搬入したとたんにVCO濃度が急激に上昇。 
明らかにこの本棚から強烈なVCOが発生している。
  搬入1時間後 0.68
  2時間後 1.26
  2.5時間後 1.4
  3時間後 2.1
8.26 9:30 1.6
8.27 12:24 2.7
9.7  本棚再設置 0.8
9.9   0.9  
10.9   0.29  25℃
10.17   0.24  
11.9  ロスナイ:弱 0.25  26℃
11.12        〃 0.24  
11.25        〃 0.13  
12.5  ロスナイ:停止 0.23  
12.20        〃 0.27  
12.21  ロスナイ:弱 0.17  
2011.2.13        〃 0.04  16℃
2.14  ロスナイ:停止 0.16  数時間いると目が痛くなる
4.6  ロスナイ:停止(11時間停止後) 0.22  17℃
4.8  ロスナイ:弱 0.18  21℃
4.13  ロスナイ:弱 0.09  20℃
7.10  ロスナイ:停止 1.47  32℃ (1年経てば出し切って下がるのでは思ったのが甘かった)
2014.4.20  新しい本棚に交換              ---  
4.22  交換後2日目 0.12                                         
4.24   ロスナイ:弱 0.08   やっと環境基準程度に下がった。
10.12  ロスナイ:停止(12時間停止後) 0.16   26.2℃
                   発生源:  
  ホームセンターで購入の本棚 「PN2-1890」 4台
(できるだけ安いものをと思って探し回って購入したのが裏目に出ました)
(やはり同じホームセンターで購入した格安の床材からも本棚ほどでは無いがホルムアルデヒドが発生しているようです)


PN2-1890」製造元:白井産業 海外生産品(ベトナム?)
 購入したホームセンターに確認したところこれには E2(JISF☆)規格(ホルムアルデヒドの放散量は7.0mg/L以下) の板を使用しているとのこと。これは住宅用建材としては使用が禁止されているが、が家具としてならば規制対象外!
 白井産業のホームページによれば国内生産品は F☆☆〜F☆☆☆☆ 相当を使用しているとのことである。
 やはり安い物はそれなるであることがわかりました。家具にも早く住宅建材のような規制が必要と痛感しました。
 これは、国会で規制が審議されている時に、新築された国会議員宿舎でもシックハウスの問題が出たのとの報道があった頃です。その審議結果はどうなったのでしょうか?
発生源の本棚
新しい本棚(自作)
今回の調査のために急遽購入した測定器
新コスモス電機(株) ポータブル型ホルムアルデヒド簡易測定器 XP-308B  ホルムテクター  2010.8.11

- ホルムアルデヒドの参考資料 -
  ・ホルムアルデヒド (formaldehyde)
    接着剤、塗料、防腐剤などの成分。 「シックハウス症候群」の原因物質のうちの一つ。
    37% 以上の水溶液はホルマリンと呼ばれる。
       
人体への毒性  粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こす。
 皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、激しい刺激を受け、炎症を生ずる。

 建材から空気中に放出されることがあり、その場合は低濃度でも人体に悪影響を及ぼす、
 いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質のうちの一つとして知られる
用途  接着材、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため、建材に広く用いられている。
使用制限
(建築基準法)
 現在、建築基準法によりホルムアルデヒドを放散する建材のランクに応じた使用制限が設けられている。
 建材には、 「F☆」 から 「F☆☆☆☆」 までの放散量によるランクがあり、 「F☆☆☆☆」 がもっとも放散量が少ない。
   参考外部リンク: シックハウス対策に係る法令等(シックハウス法) (国土交通省、建築基準法、2003年7月施行)
  ・揮発性有機化合物 (略称は、VOCsVOC(Volatile Organic Compounds)
    常温で大気中に容易に揮発する有機化合物全体を指す
    ホルムアルデヒドは、VVOCに該当するが、ホルムアルデヒド独自の基準を設けているケースがあるため、VOCsとは区別している場合が多い。
    世界保健機関(WHO)でのVOCの定義では以下のようになっている。
分類 略称 沸点 代表的な科学物質
高揮発性有機化合物 VVOC  0℃以下 〜 50-100 ℃  ホルムアルデヒド(-21℃)、アセトアルデヒド(20℃)
揮発性有機化合物 VOC  50-100 〜 240-260 ℃  トルエン、(110℃)、キシレン(140℃)スチレン(145℃)
準揮発性有機化合物 SVOC 240-260 〜 380-400 ℃  クロルピリホス(380℃)
粒子状有機化合物 POM 380 ℃以上  
総揮発性有機化合物 TVOC すべてのVOC
 ・ホルムアルデヒドの室内環境基準値及び勧告値    ●出典:WHOガイドライン(1987) 日本の指針値は1997年厚生省が発表
種 別 設 定 者 濃度 (ppm)
 基準値  日本 0.08(30分平均)
ミネソタ州 0.4
勧告値 WHO 0.08(30分平均)
ASHRE 0.1
カリフォルニア州 0.05
オランダ 0.1
デンマーク 0.12
スウェーデン 0.1〜0.4(天井値)
 ・ホルムアルデヒドの短期間暴露による人体影響    ●出展:ECA,Commission of the Ec,"IAQ and Its Impact of Man"他
影響 ホルムアルデヒド濃度(ppm)
におい検地 0.08
目への検知 0.4
喉の炎症 0.5
鼻・目への刺激 3
30分間なら耐えられる(涙目) 5
 強度の流涙(1時間しか耐えられない)  15
生命の危機、浮腫、炎症、肺炎 31
死亡 104
 ・室内空気汚染に係るガイドラインとして,厚生労働省が定めている化学物質の室内濃度の指針値
厚生労働省が濃度指針値を定めた13物質
化学物質   指針値 症状など 主な用途
 (1) ホルムアルデヒド VVOC 0.08ppm 目、鼻、喉などの炎症 合板,パーティクルボード,壁紙用接着剤等に用いられるユリア系,
メラミン系,フェノール系等の合成樹脂,接着剤,一部ののり等の防腐剤
 (2) アセトアルデヒド VVOC 0.03ppm   ホルムアルデヒド同様一部の接着剤,防腐剤
 (3) トルエン VOC 0.07ppm 目、気道、錯乱、吐き気 内装材等の施工用接着剤,塗料材
 (4) キシレン VOC 0.20ppm 目、喉、頭痛、疲労、錯乱 内装材等の施工用接着剤,塗料材

 (5) エチルベンゼン

  0.88ppm 目、喉、めまい、意識低下 内装材等の施工用接着剤,塗料材

 (6) スチレン

VOC 0.05ppm 目、鼻、眠気、脱力感、めまい ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等
 (7) パラジクロロベンゼン   0.04ppm   衣類の防腐剤,トイレの芳香剤等
 (8) テトラデカン   0.04ppm   灯油,塗料等の溶剤
 (9) クロルピリホス SVOC 0.07ppb
小児の場合0.007
  しろあり駆除剤
居室を有する建築物には、クロルピリホス添加の建築材料は使用禁止
 (10) フェノブカルブ   3.8ppb   しろあり駆除剤
 (11) ダイアジノン   0.02ppb   殺虫剤
 (12) フタル酸ジ--ブチル   0.02ppm   塗料,接着剤等の可塑剤
 (13) フタル酸ジ-2-エチルヘキシル   7.6ppb   塗料,床材等の可塑剤
25℃の場合  ppm100万分の1の濃度,ppb10億分の1の濃度
 (1) ホルムアルデヒド, (9) クロルピリホス は,建築基準法(シックハウス対策に係る法令等(シックハウス法))の規制対象物質
 (1) (3) (4) (7) (5) (6) は 学校環境衛生の基準(文部科学省
、平成21年4月1日施行)の規制対象物質であり毎学年1回の定期検査が必要
 (1)〜(6)は,住宅性能表示で,濃度を測定できる6物質
 ・室内の汚染物質
ガス状汚染物質 沸点が低く、飽和蒸気圧の高い物質。(揮発性有機化合物等)
ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物、二酸化炭素等
粒子状汚染物質 沸点が高い物質。
金属、ハウスダスト、花粉、ダイオキシン等
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